2009.01.02

初夢に登場しますように!

Photo 今日の富士山は雲も取れて、すっきり。

本当に北国や北陸の人には申し訳ないようなのどかなお正月です。

今日はいい初夢が見られますように題材提供です。

一富士、二鷹、三茄子(初夢漬け:小なすの漬物)

1月 2, 2009 リレーコラム | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.12.15

建設井戸端会議(その4)

■技術点の重要性
営業課長:最近では、総合評価方式で技術点の評価のウエートが高くなってきましたね!国土交通省の新たなダンピング対策が公表されましたね。

営業課長:低入札工事に対応して様々な施策が発表されていますが。

管理部長:低入札価格調査制度で総合評価の運用改善という位置づけで、国土交通省が公表したダンピング策のこと指してるのかな。

工事所長:ダンピング策って?(*_*)

管理部長:総合評価方式の拡充で技術点のウエートの拡充とか、低入札価格の工事に対して、内訳書の分析という位置づけで、直工費、共通仮設費、現場管理費の一定割合を下回った場合、取引原価の追求、不透明な商慣習の徹底調査し、合理的説明がない場合、失格とするなど、様々な施策が12月に国土交通省から公表されたねhttp://www.kensetsunews.com/news/news.php?newstype=kiji&genre=0

管理部長:低入札が続くものだから、品質を担保しようとする動きが出てきたということだね。

■発注者の監督・検査の強化
営業課長:低入札工事に対応して様々な施策が発表されていますが。どんなことがされるのですか?

管理部長:発注者の監督・検査の強化として、受発注技術者の増員とか、出来形管理の強化としてビデオ撮影とか、モニターカメラの設置を義務付けられるよ。

工事所長:品質を確保するため技術者を増員しなさい。ということでしょうか。
低入札工事となると、自ずと人を減らして管理業務が疎かになることをカバーしなさい、ということでしょう。

工事所長:それって、建設工事全体から見ればコストアップにならない?

営業課長:そうですね。全体からみれば確かにコストアップになるよ。入札価格が下がった分、受発注双方の管理費が上がることに他ならない。公共構造物の品質を確保するため安くなった分だけ、補填しなければいけない。ということでしょうか。

工事所長:うーん、それでは我々は入札価格を何のために抑えて札入れするんだろう??

営業課長:競争の中で、受注するため。。市場原理の公明正大な仕掛けに則るため。昨今の公共工事は高いと言う間違った世論の認識に対して、安い価格の業者を選定したということにすれば、説明しやすいからかな。

工事所長:会計法の縛りなんだよね。安かろうが判断基準になってしまった。

管理部長:結局は、安くなった分だけ受発注者間で補填しなければいければ公共の品質は確保されないのに、低入札というのは市場原理の仕掛けにどっぷりはまってしまったんだよなあ。(¥_¥)

工事所長:無理して受注した会社の技術者が擦り切れるということか!

営業課長:信頼が無くなるということは、色々な意味で高くついてくるね。

管理部長:ここで、信頼を得るための各会社、建設業界の知恵が必要となる訳だ。

工事所長:例えば、管理の強化の一環としてモニターカメラの設置など、今のIT技術を使えば可能だね。ASPのサービスとして、施工現場にモニターカメラを設置したり、携帯カメラで出来形写真をインターネットで公開して、受発注者で情報を共有してCHECK体制を強化するような取り組みがありますよ。

管理部長:このようなCHECK体制の強化は、低入札工事と工事完成後の工事成績の相関からきているね。安ければそれだけ品質が悪くなるということが明確に分かってきたからね。低入札工事はそうではない工事と比較して、工事成績評価点が低いということが関東地方建設局の分析で分かってきたからね。

工事所長:これって、まさしく、完成された目的物のCHECKチェックだね。PLAN→DO→CHECK→ACTIONのISOなんだよな。発注側も建設業者にISOを取らせるだけでなく、自らもISO的なマネジメント手法を入れてきたということか。工事成績評価点というCHECKがなされた結果ですね。

■PDCA
管理部長:そう考えるのが、自然の流れかな。万民に分かりやすい市場原理の合理的な思想の行き着く所は、欧米の思想、ISOになるってわけか。日本的信頼とは、物事をうまく進める道具だったんだよなあ。

■日本的信頼関係
工事所長:施工時において、受発注者間でインターネットで工事の状況共有しようとする試みは、まさに信頼関係を構築する公共を意識した取り組みですね。インターネットの技術が公共を監視する役目となってきた。ということでしょうか。

管理部長:インターネットの情報は、情報洪水と言われ、なんでもありの世界で、公共という文化はまだまだ育っていなかったけど、公共構造物のCHECKで使用されるようになると、まさしく、公共という文化が醸成されて良いことだね。

■公共という文化の醸成
営業課長:面白い考えですね。公共と言う文化の醸成の場にインターネットがあるわけかあ。ITの活用が公共という文化を育てるのですね。

管理部長:これからは、そんな視点が重要だね。

工事所長:情報公開ということが必要なのですね。インターネットで公共という文化が醸成されれば、情報公開すれば楽になることもありますね。我々技術者は、経験的なことを数値化して判断することが多いけど、その判断指標が様々あって、一律には決まらない判断を求められることが多いね。

管理部長:どういうことかな。算数のように、経験値を旨く数値化できていないことが多いのかな。足し算引き算しか数学を理解しない一般の人に、微分・積分を説いてもしかたがない!ということかな。そういう技術者の立場が物事を閉鎖的にしてると言えるね。

工事所長:うーん難しくなってきた。( ̄▽ ̄;)

営業課長:私は、営業の立場ですけど、やはり、分かりやすい方に流れる範疇に入る人間なので、一般人ってことですかね。

管理部長:いや・いや、そういう視点も重要だよ。分かりやすいということは、一般に支持を得られやすいということで、総合評価方式で求められる技術提案の内容がそれに当てはまるね。

工事所長:技術提案作成する側からは、分かりやすく説明することを心がけているよ。専門技術に入り込むと、説明が難しく、専門用語の羅列になってしまう。技術者の独善と言われても仕方が無い技術提案書なんかあるね。

管理部長:そこを発注者から問われているのかな。発注者の後ろには納税者である一般の国民がいるということだね。発注者のフィルターを通して技術提案書は分かりやすく説明できなければいけない。ということだね。

営業課長:私は、営業という立場で発注者に接する機会が多いのですけど、発注者のフィルターとは一般の人に説明でき、説得力のあるものを要求しているね。それもより具体的に、記録なんかで。

■PDCA
工事所長:先ほど話題になった PLAN→DO→CHECK→ACTIONのチェックの部分を分かりやすくしないと評価が低いということですね。ですから、我々は、工事実績を数値も含めて具体的に表現することを心がけているよ。

管理部長:さて、総合評価方式で技術点のウエートが高くなってきたことを鑑みて、建設会社の技術を如何に数値化して表現するかを視点において取り組んでいこう!それが、工事の受注に結びつくのだから。

営業課長:そうですね。価格競争の世界にどっぷり漬かるのではなく、入札価格を絞ることに汲々とするのではなく、自社の技術を上手に表現して評価してもらうことに心がけましょう!例えば、社会的要求の品質・環境に対して。

工事所長:そんな取り組みが、公共の品質を確保するための安心感に繋がればいいですね。

営業課長:これって、品確法の理念に合致しますよ!

12月 15, 2006 リレーコラム | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.11.27

建設井戸端会議(その3)

■ISO
管理部長:まさしく、ISOの世界だね。欧米の合理的な思想、制度が蔓延すると、第三者で確認できる証・拠・が必要となるってわけさ。

営業課長:日本的文化に馴染まないね。ますます。

管理部長:信頼関係がなくなってきたってことかね。この信頼関係を取り戻すために、建
設産業に携わる人、組織において有効な手立てが必要なんだよな。その取り組みとして
総合評価方式があるのだけれど・・・。


営業課長:じゃー、今、低入札価格の工事はその流れで過渡期的なものかな。

工事所長:組織で必要なものを削っているのかな。

管理部長:組織で必要なものとは、組織を存続させるめの経費などがあるでしょう。

営業課長:それを削ると、先ほど言っていた組織が工事にバックアップする技術的なサービスは育たないね。

工事所長:そ・れ・は、先の話か・・・。建設構造物が出来上がってから数年経てから見えてくるものだね。何だか、未来につ・け・を回すようで怖いね。

管理部長:このような世界に入り込むと、安かろうという数字の力が大きくなる。
それが一番分かりやすいからね。人間分かりやすいものに流れるんだよ。


営業課長:じゃー、公共工事の低価格というのはずっと続くのかな。

管理部長:サドンデスの世界に入ると、その世界、そのビジネスモデルが崩れないと抜け出せないよね。最適なビジネスモデルを担保していたのは公共という意識だったはずだけど。

営業課長:それがなくなると、どこに行くのだろう。

管理部長:公共という意識がなくなってきたんだね。

工事所長:公共工事は、公共という意識があって初めて成立するビジネスモデルだけど。

営業課長:それが競争原理だけの市場となると、何がその質を担保するのだろう?

管理部長:そのための総合評価方式なんだろうけど、このように低価格となると、質は担保できなくなるよね。

管理部長:そのつ・け・は納税者に戻ってくるね。その象徴的な事件が耐震偽装事件だよね。この場合、マンション購入者に行ってしまったけど。

■耐震偽装事件
工事所長:安かろう悪かろうのビジネスモデルが破綻した象徴的な例だよ。

管理部長:このビジネスモデルを担保する動きが業界全体から出ないとだめだよね。

工事所長:もう少し総合評価方式の入札結果の状況など静観しないと分からないね。

営業課長:最近では、最低制限価格を設けて、それを下回る場合、技術点を減点する工事も出てきたね。評価する側も試行錯誤しているよ。

管理部長:それで技術点を減点するのか。その結果として、評価点がどうなるか分からないね。

営業課長:入札結果がどのように推移するか、静観だね。フー、難しい時代になったものですね。

工事所長:静観。静観。どのように工事が入手でき、工事の施工を行い、引渡しがどのようにされるのか。総合評価に関係する事項として工事成績点が重要視されてきているよ。

工事経験者:これって、まさしく、完成された目的物のチェックだね。PLAN→DO→CHECK→ACTIONのISOなんだよな。発注側も建設業者にISOを取らせるだけでなく、自らもISO的なマネジメント手法を入れてきたということか。

■PDCA
管理部長:そう考えるのが、自然の流れかな。万民に分かりやすい市場原理の合理的な思想の行き着く所は、欧米の思想、ISOになるってわけか。日本的信頼とは、物事をうまく進める道具だったんだよなあ。

営業課長:そうですねー
工事所長:そうですねー

(終わり)

11月 27, 2006 リレーコラム | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.11.22

建設井戸端会議(その2)

■日本的文化
管理部長:日本的文化とは、お互いの信頼関係の上に成り立っていたんだよ。

工事所長:だから業界とかのしきたりがあったの?(-.-;)

管理部長:しきたりって、万民受けする言葉じゃないね。

営業課長:皆さんって、さっきから万民、万民って言っているけど、それ、ある特定の人たちのこと言っているの?

管理部長:そうかもしれない、マスコミ受けする視聴率という数字に踊らされている人々、またその数字に入っている人かな。

工事所長:表向きの数字だけで判断する馬鹿な人達が多くなったんだろうかねえ。

管理部長:そうだね。あまり考えない人、古い慣習を否定するのが進歩的で利口だと思っている人かな。日本は戦後、このような教育を受けてきたからなあ。新しいことに飛びつくことは良いことだと。外ばかり見ていたよね。歴史教育の薄さが露呈した結果だね。

■歴史教育
工事所長:そう、古いシステムが世の中を悪くしているとドグマに陥ったんだなあ。

営業課長:ドグマって、難しい言葉ですねえー(☆_☆)

管理部長:「ドグマ」って、原理や原則、またはある判断に固執して、他を受けいれないさまを言うんだよ。

工事所長:多いですね、そんな人たち、特にマスコミは、自分たちだけの考えを押し付けようと都合の良い街頭インタビューの内容だけ放送しているね。

営業課長:さ・て・と、マスコミ批判は、どんどん出てきそうですね。

管理部長:ごめん。我々建設に携わっている者は、ずいぶんマスコミに虐められた経緯があるから、つい、力が入っちゃうんだ。

管理部長:さて、総合評価方式の話だけど、公共の構造物を作ってもらう会社を選定する上で、価格だけでなく、その品質を担保できる会社を選ぼうという姿勢は、評価できるんじゃないかな。

■総合評価方式
工事所長:サービスの内容、質を評価しようとしてることは、公共のために良い品質のものを提供する側の姿勢だと言えるね。

営業課長:そのサービスの内容、質の評価だけれど、先ほど、建設産業は労働集約型産業とおっしゃいましたね。そうであれば、サービスの内容、質は、その産業で働いている人を指す事に他ならないのでは?

管理部長:そう、まさしく、人、その中で働いている技術者を指すね。

工事所長:そうかあー、以前、総合評価方式のヒアリング受けた時、私が監理技術者としてある工事に携わるという位置づけで望んだけれど、発注側は、私の資質を見るような質問が多かったね。例えば、入札条件の工事実績の経験があるか否か、工事の技術的な内容をこと細かく聞かれたりしたよ。私が審査された気分だったよ。

管理部長:人ばかりでないと思うよ。工事をする建設会社の組織を見ることもあるよ。
この会社は要求する技術に対して組織としてバックアップして対応できる能力があるかどうか、など。組織の体制そのものを聞く場合があるよね。


営業課長:組織の体制かあ

管理部長:各組織が有機的に結び合って、技術対応します。だけじゃだめなんだよ。

営業課長:文字や図、言葉で説明したって、その組織がその文字通りに動くとか第三者からは見えませんよね。

工事所長:そうだね。その場凌ぎで、○○技術については組織において対応委員会を設けて解決します。と言っても、その組織がどのようなものであるか具体的な例で表現されないと信用できないものだね。

管理部長:よくやる手だよね。あたかも特殊技術について検討する組織があるというようなことを大仰な名称を付けて宣伝するよね。

工事所長:実態が伴っていないと、ヒアリングなどで化けの皮はがされるね。
技術って、積み重ねだからね。そんなに簡単に安くて良い建設構造物はできないよ。だから、入札の技術資料の評価で、特許の保有とかNETIS登録の技術の評価が高くなるんだね。


営業課長:万・民・。じゃなかった。一・般・の人の評価がしやすいってことだね。特許とかNETIS登録とかは、発注側で、関係記録で確かめることができるね。まさしく、エビデンス・証拠かあ、何か昔聞いた事があるね。

(その3へつづく)

11月 22, 2006 リレーコラム | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.11.16

建設井戸端会議(その1)

建設関係の業務で、話題になっていることを、建設井戸端会議と称して、会話形式で表現します。架空の登場人物は営業、施工、管理の実践で活躍している人としています。

営業課長:営業の最前線で技術資料の作成に携わる30代
工事所長:工事の最前線での経験があり、技術資料の技術的な作成に
携わる40代

管理部長:本社において入札業務を総括する団塊の世代50代

さて、入札業務に直面している建設会社の担当者の会話です。ぼやきもありますが、最近の感じていることを話題にしています。言外の意味を汲み取っていただければと思います。

今回のテーマは!総合評価方式!

■技術者の評価
営業課長:入札条件で工事実績以外の項目も評価されるらしい。

工事所長:例えば、どんなこと?

営業課長:技術者の実績が重視されるようだ。

管理部長:君は○○工事の実績があるね。CORINSに登録されているかな?

工事所長:その時は、登録に関しては、JV工事でスポンサー会社が中心で、私は登録欄に入らなくて登録されていないんです。CORINS登録欄が少なかった時期で。。。。。

管理部長:そんなことがあるのか。実際携わった技術者が登録されないで
どうする!発注側は、そのデータをより所として評価するんだよ。


工事所長:何か理不尽ですね。(>_<)

管理部課長:そうだね。理不尽な仕掛けだよ。だから、工事に携わった技術者はCORINSに登録されるように変更登録をするよう全社的に指示しているのだが。そのような理不尽なことは、工事実績についても言えるよな。

工事所長:トンネル工事の実績で延長があるでしょう。1000mであろうが990mであろうが、経験することは同じなのだから、それが企業の本質的な経験の違いにはならないと思うけど。そういう条件を付けないと選別ができないのが釈然としませんね。

営業課長:そうですね。この前、杭の深さの実績条件の時は困りました。CORINSじゃ分からないから、昔の図面引っ張り出して、調べました。
図面で長さを確認して、そのコピーを付けて証明としておきました。f^_^;


工事所長:これから電子納品が義務付けられると、その電子データから証明できるね。

管理部長:それは良い仕掛けだね。今までのように紙を保存しておく必要が無いわけだ。入札条件では、評価するための数値が一人歩きするんだよなあ

■数値評価の怖さ
営業課長:比較する場合、数値が一番分かりやすいからですね。

工事所長:何か怖いね。本当に実績があって出来るかじゃなくて、表向きの
数値だけだよね。


工事所長:こんなんで希望の会社を選ぶことができるのかな。( ̄▽ ̄;)

管理部長:数字という化け物が一人歩きすると本末転倒になることもあるかもしれない。万民に分かりやすいのが数字なんだよなあ。つまり算数だよ。(*_*)

工事所長:万民って、馬鹿になったのですかねえー。( ̄▽ ̄;)

営業課長:うーん、言われてみれば、そうでしょうかね。そんなことが入札でも現れています。品質を担保できる会社を総合評価方式で評価しようとしているけど、入札価格がどんどん下がっているんです。数字という化け物が支配した結果ですね。

工事所長:その数字を出しているのは、血のかよった人間だよ。血のかよった人間をすり減らさないととんでもない数字は出てこないよ。

■建設構造物の値段とは?
営業課長:建設構造物の値段って何だろう。

管理部長:建設産業は、労働集約型だから、人間、各技術者のサービスの
結果だよ。


工事所長:そうですね、サービスの結果ですね。

営業課長:工事の価格が下がると自ずとサービスが少なりますね。

管理部長:そうだね、そのサービスの内容を、どうやって分かりやすくする
かが、万民を納得させるポイントだね。


工事所長:別に万民に分かりやすくなくてもいいんじゃないの。
万民が安心できる仕掛けがあれば。


営業課長:それが今までの慣習の日本的文化だったんでしょうか。

(その2へつづく)

11月 16, 2006 リレーコラム | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.11.10

建設業の「もの」の重さ

小田急建設株式会社 小原丈二

 建設業のもの作りといえばコンクリートや鉄などが材料のためか、作り出す「もの」も総じて重たい。製鉄業などと並んで、いわゆる重厚長大産業の代表格といえる。一方で、他の産業では建設業とは比較にならないほど軽い「もの」が沢山造られている。もちろん重いからその分値段が高いという訳ではないが、“土木構造物の値段”というのが何となく気になって、単位重量当たりの単価を比べてみた。
 ベテラン所長のS氏によると、コンクリート土木構造物の単価は、基礎や仮設など全てを含めて1トン当たり4万円~10万円程度だそうだ。これに対して、お米の値段を5千円/10キロとすれば50万円/トンになる。お酒についてみると、9,000円/1.8kg(相当良い酒だ!)とすれば500万円/トンである。高級車も同じくらいだろう。手元にある風邪薬は、2000円/40gなので5千万円/トンということになる。
 こうしてみると土木の構造物は、素材を加工して現場で一品生産しているにもかかわらず、何とも単価が安いことになる。これでは日本の生産人口の一割を占める建設産業が食べていくのは絶望的な気持ちになってくる。実際、建設産業のGDPに占める割合は、1割に満たない7%程度とあれば、これも宜なるかなである。
 もっとも、ほとんどものを造らない口先勝負(失礼)の仕事もあるようだ。この場合、舌の軽さに比例して、「もの」の重さも限りなくゼロに近づくことになる。ということは「もの」の単価は無限大(→∞)ということになるのか・・・・・ふうむ。
 この100年間、営々とコンクリート構造物を作り続けてきた事への報いなのかもしれないが、もう少し身軽な土木へ変身してみたいなどと妄想してしまう。しかし、日本人の1割の英知を集めても変わらなかった「もの」が、一朝一夕に変わるはずもない。我に返って手元を見ると、コンクリート構造物のひび割れ補修検討書が目の前にある。こんなに重たくて大きな構造物を造ったのに、後からちまちまと補修するとは泣けてくる。ちなみに注入剤の単価は結構高いのだが、病院の注射薬に比べたらいったい何分の一なのかと思うと、また気が重たくなる。注入材もやはり重たい「もの」のお仲間のようである。 
 ちなみにこの検討書の単価はゼロ(サービス)なので、理論的には重量は無限大ともいえる。鉛のような検討書を持って出張に行くのは何とも辛い。せめて温泉に浸かって気分を軽くしてこようと画策しているのだが、実現は微妙だ。
 戯言はこの辺りにするとして、軽薄短小というのは単なる流行言葉ではないのだと再認識させられた気がする。皆さんはどうお考えだろうか。

005_01

11月 10, 2006 リレーコラム | | コメント (0) | トラックバック (2)

2006.11.08

XMLのスタイルシートて何?

1.スタイルシートとは

 工事完成図書の電子納品要領(案)にXSL(eXtensible Style Language)=スタイルシートと言う記述がある。

 スタイルシートとはいったい何か話したいと思う。

 電子納品では、納品するExcelやWord・写真・図面のデータがどのようなファイルかをXMLデータとして作成している。このXMLデータを管理情報と呼んでいる。

 XMLはメタデータと言われるテキストデータで、XMLをインターネットエクスプローラ(IE)で開くとHTMLのようなタグ付きのテキストが表示されるが非常に分かりづらい。

 そこでスタイルシートが登場する。
 スタイルシートは一般的にHTMLやXMLを見やすく表示するものである。
HTMLでは、CSSと言うスタイルシートがあるが、XMLはCSSだけでは見やすい形式に表示出来ないので、XSLで構造をHTMLなどに変えて表示している。

 XSLは、XSLT(XSL Transformations)とXSL-FO(XSL Formatting Object)からなる。
XSLTはXMLをHTMLやテキストデータなど違う形式に変換する規格で、XSL-FOは紙などに印刷をするために規格である。

 それでは実際にXSLTでXMLを変換してどのように表示するか見て行きたいと思います。

2.XSLTでXMLをHTMLに変換

1_1

図の様にXMLをXSLTで変換しHTMLを作る方法を見ていこう。

2_2

図は写真の管理ファイルにである。管理情報のシリアル番号(「1」と「2」)と写真タイトル(「着工前」と「竣工」)をHTMLで表示して見る。

3_2

上図はXSLTのスタイルシートである。
<xsl:value-of select=”写真ファイル情報/シリアル番号”>が、管理情報の<シリアル番号>と</シリアル番号>で囲まれたデータを表示する命令になる。

4_1

HTMLで表示すると上図のようになる。シリアル番号と写真タイトルを表示している。

3.写真情報を一覧形式で表示する
 それでは、最後に写真情報をもっと見やすく一覧形式で表示するスタイルシートを掲載する。

「PHOTO03.lzh」をダウンロード

 PHOTO03.XMLに <?xml-stylesheet type="text/xsl" href="PHOTO03.XSL"?> を一行書き加えて、
PHOTO03.XMLをIE(Ver.6以上)で開くと下記のように表示される。
写真データが一覧形式で表示され、写真のサムネールも表示されるので見易くなっていると思う。

5_2

 スタイルシートがあると、XMLの内容が読み取れると思います。
XSLTの詳しい説明は割愛していますので、参考図書等を参考に勉強して下さい。
添付のXSLはダウンロードして使用できます。但しフリーソフトなので、自己責任の範疇で御使用下さい。

参考図書:XML+XSLによるWebサイトの構築と活用  PROJECT KySS/宮坂雅輝著
      発行:ソフトバンクパブリッシング

前田道路株式会社
牧野 正行

11月 8, 2006 リレーコラム | | コメント (0) | トラックバック (3)

2006.11.05

森伊蔵とその仲間たち

Miri_izo ある、CIC会員の事務所開きが先日ありました。
なかなか多彩な人たちが、各方面から集まって、
社長の人柄と人脈に感心しました。

さて、不純な気持ちで参加した人も中にはいたのでしょうか?この銘柄と、その響きについついという人が。

良い仲間と旨いつまみが一層「酒」のうまさを引き出します。

11月 5, 2006 リレーコラム | | コメント (0) | トラックバック (2)

2006.11.04

日本酒はやっぱり「ひや」

 前回のコラムで日本酒が好きなことを紹介させて頂きましたが、今回もその日本酒ネタについて書かせて頂きます。
 個人的に、「ひや」で飲むお酒が一番おいしいと思っています。最近、「ひやざけ」と注文すると、「冷酒」がでてくることが多々あります。確かに「冷酒」と書いて、「ひやざけ」と読みますが、これは全く違うものです。
 ご存じの方も多いかと思いますが、「ひやざけ」は常温のお酒「冷酒」は冷蔵庫などで冷やしたお酒です。
 もちろんお酒の飲み方だけではなく、お酒の種類が違います。「冷酒」は、冷やして飲むことを前提につくっていますから、冷やして飲まなければ味が変ってしまいます。また、「ひや」は常温保存が前提のお酒ですので、冷やして飲んだら、これも味が変ってしまいます。確かに、冷蔵庫で冷やすと、口当たりが良く、飲みやすくなるため、「ひや」用のお酒を「冷酒」として飲むことも多いですが、本来の味が薄くなってしまうような気がします。
 先日、永田町のある居酒屋さんで、飲みくらべ用に、同じお酒の「ひや」と「冷酒」をだしてくれました。店員さんの本意はもちろん、「ひやの方がおいしい」と言いたかったのが見え見えでしたが、飲みくらべて見ると驚くほどに結果が明確にでました。なかなか同じお酒を「ひや」と「冷酒」で飲みくらべたことがなかったため、ある意味期待していた結果でしたが、これほど違うものかと驚きました。

鍋島.JPG

 やはり「ひやざけ」は「ひや」で飲むべきです(あくまでも個人的意見ですが)。

株式会社 大本組 浅賀泰夫

11月 4, 2006 リレーコラム | | コメント (0) | トラックバック (1)

2006.10.29

皆で飲むからこその、「味」

 建設業界は仕事上、現場であれば転勤が多いし、間接部門であれば出張が多い。先日も新潟駅に出張に行きましたが、新潟は8年ほど前に私自身、工事を施工するために住んでいたことがあります。新潟というと、やはりですが、新潟市まで北上すると、やはりです。

 個人的に日本酒が好きなこともあり、当時色々な種類の日本酒を飲ませてもらいました。色々な種類の酒というと、東京などでは銘柄で色々となってしまいますが、ここでは、同一の銘柄で色々飲み比べをさせてくれます。
 新潟には、一般的に知られている「八海山」、「越乃寒梅」、「朝日山」「越乃景虎」や「白瀧」などの他、あげたらきりがないくらいの種類がありますが、当時個人的に好きだったのが「菊水」でした。

 東京で「菊水」を注文すると、「菊水の辛口」が一般的ですが、「菊水」にもさまざまな種類があることを飲み比べによって教えてもらいました。飲み比べた順序は、ほとんど覚えていませんが、たしか「菊水の四段仕込」、「菊水の辛口」、「ふなぐち菊水一番しぼり」、「吟醸無冠帝」、「純米吟醸」、「純米大吟醸」、「大吟醸」、「五郎八」だったと思う。さらに、当時はほとんど手に入らなかった、「菊水のお晩です」も頂きました。
 今ではもっと種類があり、「熟成ふなぐち菊水一番しぼり」、「吟醸甘口」、「吟醸辛口」など、さらには飲んだことがない「菊水麗流 純米大吟醸原酒」「菊水源流 大吟醸原酒」などもあります。

 この中でも特にお気に入りだったので、今頃のシーズンしか出回らないにごり酒の「五郎八」。アルコールは少し高めで、冬季に冷えた体をあっという間に温めてくれます。味わいも良く、鍋などと一緒に、ちびちび飲むと最高です。最近では、新潟に比べて多少値段は高めですが、東京の酒屋でも簡単に手に入るようになりました。今は、この「五郎八」も後に述べる「ふなぐち」同様、缶に入った物が売っています。

 また、通期で飲めるものとしては、先ほど述べた「ふなぐち」があります。「吟醸無冠亭」も好きでしたが、この「ふなぐち」は値段も手頃で、おいしく飲めます。今でも忘れないのが、瓶の「ふなぐち」をおみやげに買って帰った話をしたときに、「ふなぐちは缶入りでないと邪道だ!」と言われてしまったことがありました。この「ふなぐち」もアルコール度数が少し高めで、出張帰りに新幹線の車内で飲むのが良いのではないでしょうか。もちろん瓶でも中身は変らないのですが、そのシチュエーションによって同じ日本酒でも味が変わるということを、当時言いたかったのでしょう。
 私は、この業界に入る前から日本酒が好きなので、それなりの量を頂きますが、決して一人では日本酒を飲みません。なぜなら、いくらおいしい日本酒でも、一人で飲む日本酒はおいしくないからです

菊水商品サイト
http://www.kikusui-sake.com/home/syohin_index.html

株式会社 大本組 浅賀泰夫

10月 29, 2006 リレーコラム | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.10.28

建設総合ブログの役割
~有益な情報流通の活性化と建設産業発展を目的に~

株式会社キャルスアップ 取締役 白石良多

ようやく私の連載コラムも最終回を迎える。第1回第2回で「ラグビーJAPANチャレンジ2011ブログ」という、ブログと分野を特化したブログポータルを組み合わせる着眼に対する評価、第3回は建設会社と関連団体を例に、建設関連Webサイトが有効に機能していないのではないかという提言、前回は3社1団体の事業としてスタートした「建設総合ブログ」の設立経緯を述べた。

今回は、現状からみるとまだまだ達成の道のりは険しいが「建設総合ブログ」の目指すところを述べ、最後に実際に読者の皆さんがご自身のブログや所属企業団体のWebサイトを建設総合ブログに登録する際の手法についてまとめる。

1.建設分野のネットで得られる情報の少なさ
私は、建設会社向けのコンピュータ関連サービスを行なうキャルスアップを設立し経営に携わっているが、本来は某ゼネコン所属で社内の情報システムを担当していた。そして現在もその会社に所属している。したがって私の担当業務の分野は「建設」と「IT」の二つである。仕事でインターネットを活用するようになって久しいが、ネットで得られる情報の量と質は「建設」と「IT」とで大きな隔たりがある

コンピュータやITに関してはメーカやベンダーの商品情報はもとより、利用者が使用感を綴ったブログなど沢山の情報に溢れている。情報システム担当としても1人のユーザーとしても予備的な商品情報はインターネットにほぼ網羅されていて、ソフト、ハード、システムやサービスを調達する際に大いに参考になる。今では「参考」に留まらず、調達行為そのものもインターネット経由で行なえる。

一方「建設」に関する情報はどうだろう。「IT」に比べてその量も質も圧倒的に劣っているのではないだろうか。建設という仕事が特定の商品を持たない「受注生産」「一品生産」であるという特性、戸建住宅を除いてはその多くが行政や企業を相手にした仕事であることを考えると当然のことかも知れない。それにしてもあまりにも建設関連企業団体がWebサイトで提供する情報は少なすぎる。そのことは第3回のコラムでも述べた。 

建設CALSの施策として電子入札が普及し、調達行為の一部にインターネットが利用され始めたことは評価できるが、今は公告~入札までで、契約行為の電子化は方策がまだ見えない状態だ。

2.日本の建設産業の課題
今、日本の建設業が大きな転機を迎えていることは周知の事実だ。建設投資の減少、競争の激化、少子高齢化による建設産業従事者の減少、今後更に加速しそうな建設会社の淘汰といったネガティブな事象が上げられる。その一方で、団塊の世代を中心とした富裕層が求める上質な生活環境、世界規模で取り組むべき環境対策、日本の国土に特有の耐震補強対策、そして維持補修分野など、前向きに取り組むべき課題も多い。これらを総合的に考えると、建設業は今まで以上に技術開発と品質向上、合理化とコストダウン、そして環境や安全の維持に取り組まなくてはならない。

3.建設総合ブログの役割
このような背景の中、「建設総合ブログ」は業界内の有益な情報の流通を活性化し、建設産業の発展に寄与することを目的にスタートした。産官学それぞれの従事者にその取り組みの中で発生する情報を適切に提供してもらい、それを網羅的、系統的に集約するサイトとして役立てていただくことを念頭においている。

第2回のコラムで述べたように、建設総合ブログは、企業団体の規模や認知度に関わらず公平に、情報を沢山提供すれば注目度が上がる仕組みであり、分野が建設産業に限定されているので関係者の目に触れやすい。

有益な研究や事業を行なう企業団体が、規模や地域に関わらず、建設総合ブログを通して情報発信すれば、その内容の認知度と活用範囲が広がり、企業等の利益向上や、新しいアイデアの創出に役立つはずである。

現在、建設総合ブログでは登録サイトを以下の8種類の企業団体種に分類している。

 建設会社    調査・設計会社
 関連団体    材料工法普及協会
 公共発注機関    教育研究機関
 建設ブロガー    建設現場

※上記のリンク先は各ジャンルの新着記事

残念ながら登録はまだ34サイトで、上記ジャンルのうち「調査・設計会社」「公共発注機関」「教育研究機関」は未だ空き家である。

「有益な情報を網羅的に提供する」といった状況にはまだほど遠いが、地道な努力を重ねながら本来の目的にかなうサービスに育てていきたい。

4.建設総合ブログに登録する際の手法
建設総合ブログへの登録はRSSを配信していることが前提となる。
※RSSについては第2回コラム参照

(1) 既存のブログがある場合(詳しくはこちら
既に企業団体としてブログの運用をしている場合は、RSSを配信しているはずなのですぐに登録が可能である。

(2) 新たにブログを利用する場合(詳しくはこちら
施工中現場のWebサイト、関連する工法協会の小規模なWebサイトなどはブログ利用が適している。テンプレートを利用すれば比較的短期間、低コストでブログの基本デザインが可能で、開設後の運用(記事の掲載)は現場や協会の担当者のスキルで可能だ。

既にWebサイトを構築済みの場合でも、新しいコンテンツの紹介や最新ニュースなどをブログに切り出して、従来のWebサイトと組み合わせて運営する方法もある。

(3) 既存サイトの運用を変えたくない場合(詳しくはこちら
Webサイト構築済みの時に一番お勧めしたいのはこの方法だ。
サイトのデザインや運営(更新)はそのままにして、RSSを手作業で作ることができる。RSSの実体は一定の約束事に従い記述されたデータファイルだが、それを編集する専用のソフトウェアがあるので、新しい記事の発表日付・タイトル・概要・リンク先を入力するだけでRSSを作成できる。

最後に
以上で私の連載コラムの筆を置く。(キーボードでもこう表現?)
終盤は若干宣伝じみてしまったが、業界に関わる多くの人に建設総合ブログ良さを理解してもらいたいと思い、きっかけとなった「チャレンジブログ」との出会いから、筆者が考え、進めて来たことをまとめた。

今回のコラムを辛抱強くお読みいただいた読者の方には、所属企業団体のWebサイト、あるいは個人のブログの登録を是非ご検討いただきたい。

本コラム及び建設総合ブログについてのご意見、ご質問などありましたら、代表アドレス(cicblog@cals-up.co.jp)にご連絡いただきたい。筆者自身が受信しているので責任をもってお答えします。

10月 28, 2006 リレーコラム | | コメント (0) | トラックバック (1)

2006.10.21

建設総合ブログ設立経緯
 ~3社1団体の事業としてスタート~

株式会社キャルスアップ 取締役 白石良多

私の拙い連載コラムも4回目となった。3回位でまとめ上げようと思っていたが、どうも段取りが悪い。第1回第2回で「ラグビーJAPANチャレンジ2011ブログ」という、ブログと分野を特化したブログポータルを組み合わせる着現に対する評価、前回は建設会社と関連団体を例に、建設関連Webサイトが有効に機能していないのではないかという提言をさせていただいた。

今回は「チャレンジブログ」を参考に開設した「建設総合ブログ」の設立までの経緯を振り返る。

「チャレンジブログ」に出会ったのは昨年の6月であった。
すぐに所属クラブの記事を投稿したりもした。(継続していませんが…)
http://1311145.team.jrfu-members.com/200506/article_1.html

2回目のコラムでも述べたように、これと同様の仕組みを建設産業に適用してみたいと思い始めた。早速知合いを通じて日本協会に問合せ、「チャレンジブログ」を手がけた会社を教えてもらった。開発と運用は有名なラグビーチームを持つ大手コンピュータメーカー、ISPやインターネット関連サービスも手がけるN社だった。
すぐに担当のTさんにお会いすることができた。TさんはH大学とN社ラグビー部OB、同じラグビー仲間ということもあり親切にいろいろ教えていただいた。Tさんはまた、地元の茅ケ崎ラグビースクールのコーチで同スクールの「チャレンジブログ」のライターでもある。

「建設業特化型ブログポータル」の構想は、Tさんの協力もあり順調に具体化していった。どのくらいの費用でできるか、どのような仕様にするかということはもちろん大切であるが、建設業界のあらゆるプレーヤーに参加を呼びかけるべきポータルなので、キャルスアップという名も知れぬ会社が立ち上げてもものにならないことは容易に予想できた。設立後の営業活動や運営のことを考えると、この構想に賛同し何らかの形で参画してもらえるパートナーを見つける必要を強く感じた。

そこで賛助会員として活動していた建設情報化協議会(CIC)の建設ポータル分科会の席上で、私の考えを発表した。その時向かいの席に座っていたリコーのKさんの目がキラリと光ったことを私は見逃さなかった。

すぐにKさんにお会いしあらためて具体的な説明をした。リコーには「RICOH 建設CALS支援センター」というCALS/ECの情報を中心としたポータルがあり、Kさんはその担当者だった。ブログポータルへの登録サイト、並びに閲覧してくださる建設に関連する方々のネットワークが形成されれば、「RICOH 建設CALS支援センター」の運営にもプラスになると考え協力を申し出てくださった。そして最終的には建設情報化協議会が中心となり、キャルスアップ、リコー、日刊建設通信新聞社が参画する3社1団体の事業とすることになった。

いろいろと教えていただいたTさんには申し訳なかったが、ブログポータルの開発はニフティ株式会社を窓口にすることになった。キャルスアップは以前よりニフティのサービス(ISP)を再販しており、ポータルだけでなく新たにブログを必要とする顧客にはニフティのブログ(ココログ)の提供を並行して行なえることが大きな理由だ。

開発は順調に進み、kenblog.jp とうドメインも取得、「チャレンジブログ」に出会ってから約10ヶ月後の2006年4月に「建設総合ブログ」開設に至った

ポータルの機能については、建設総合ブログの説明を参照していただき、また実際にポータルを眺めていただけば理解していただけると思う。

日刊建設通信新聞社には、毎日の新聞記事のヘッドラインを毎日提供してもらっている。またポータルからクリックして各登録サイトの記事が閲覧された回数を、前日上位10位まで表示する機能も最近のバージョンアップで加えた。
ポータル全体、企業団体種別、あるいは任意の検索結果をRSSとして利用できる(ポータルを開かなくても新着記事がわかる)ことは特に有効な機能だと自負している。

機能的には当初考えていたものを作り上げることができた。開設後半年経過し、まだまだ周知化が進まず登録が33サイトと少ないが、月間約20,000PV、週間訪問者数約2,000と開設まもなくの一般情報サービス系サイトとしてはまずまずの滑り出した。

いくつかの人気のある登録サイトは、このポータルからのクリックが月に600~700回あり、各サイトの集客にも少しずつ貢献できるようになっていると考える。ポータルを訪れなくてもRSSがよく参照されていることもアクセス解析から見て取れる。

10月 21, 2006 リレーコラム | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.10.12

建設関連Webサイトの現状
~ネットに放置された会社案内~

株式会社キャルスアップ 取締役 白石良多

前回迄のコラムで「ラグビーJAPANチャレンジ2011ブログ」との出会いと、その「分野を限定したブログポータル」の有用性について述べたが、今回は少し視点を変えて建設関連企業や団体のWebサイトについて考えてみたい。

1.建設会社のWebサイト
以前、建設総合ブログに併設しているブログで「ゼネコンのWebサイトでの情報発信」と題した拙文を公開した。
http://staff.kenblog.jp/2006/04/web_1305.html
ここではゼネコン売上高上位100社のWebサイトの、一年間の更新回数を調査した結果をもとに考察した。

詳しくは元のブログ記事を参照していただきたいが、結果の概要は次の通り。
・更新回数(新着記事の件数)は平均で年間約20回と意外に少ない。
・会社の規模(売上)と更新回数は概ね相関がある。
 (大きなゼネコンの方が仕事の範囲や件数が多く、公開すべきニュースが多いので)
・しかし同じ売上規模の企業間でも、更新回数に大きなバラツキがある。
 例:超大手5社で26~113件

更新回数の多いWebサイトでは、特筆すべき工事の受注、新技術の開発、マスコミに掲載された事例、Webサイトに新しい技術情報を掲載した際の案内など、小まめに更新していることが分かる。一方で少ない(月に1~2回)の会社はIR情報や役員の異動などが中心で、ゼネコンが本来アピールすべき技術や施工の話題は非常に少ない。

流石に上位100社のゼネコンでWebサイトを持たない企業は無かったが、「Webサイトを小ぎれいに作っておけば何かの役にたっているはずだ」という間違った判断で、アクセス解析もろくにしないで効果の確認もせずに、Webサイトを「ネットに放置された会社案内」にしてしまっている企業が多い。

2.関連団体のWebサイト
建設関連の公益法人や資材工法普及団体は、全国に2000近く存在し、その半数以上がWebサイトを持っている。開設予定も含めると7割にのぼる。

一口に建設関連団体といっても団体規模や知名度においては、業界関係者なら誰でも知っている全国規模の公益法人から、数名の職員で運営している小規模な、あまり名前の知られていない工法普及団体まで存在する。

それぞれの団体は、会員に対するサービスや情報の提供、あるいは扱う材料や工法の普及活動が大きな役割であり、規模の大小に関わらず業界関係者や一般消費者への情報発信や広報活動は非常に重要であるはずだ。

その有力な手段として、Webサイトに代表されるインターネットの利用に取り組んでいるが、悲しいことに「無名の団体はネットでも無名」という状況にある。多くの団体はWebサイトを見てもらえない、開設している効果があまりないと思っている。

Webサイトのアクセス数を高めるには、Googleなどの検索にかかり易くすることが重要で、一般にSEO(Search Engine Optimization=検索エンジン最適化)として研究されている。サイト全体のボリューム(ページ数)、ページタイトルや本文に適切にキーワードを配置すること、他のサイトからリンクされていることなどがSEO対策の基本であるが、初期制作時や運用面でのSEOへの配慮が不十分と思われるサイトが多い。

また多くの団体は最小限のスタッフで運用されていて、コンピュータやネットワークの専門家やWebサイト担当の専任者などは配置できない。せっかくアピールすべきニュースがあっても、タイムリーな更新ができないことが大きな悩みである

更新が少ない(陳腐化)とますます見てもらえないという悪循環に陥っている

3.Webサイトの重要性について
これまでに述べたように建設関連企業団体のWebサイトは、導入率はかなりのレベルであるが十分に効果が出ているとは言い難い。一般消費者向けの商品やサービスを提供している企業にとっては、インターネットは重要な広告媒体であり販売チャネルである。一方で建設業においてはあまり重要性が認識されていなかった。

現状は「いまどきWebサイトが無いのはちょっと恥ずかしいが、これで受注が増えるわけでないので、あまり手間暇をかける必要はない」といった段階だ。たしかにこれまでは建設会社を例にすると、次のような理由でWebサイトはの重要性は低かった。

・注文住宅、リフォームなど一般消費者向けのビジネスよりは、マンション建設、一般企業の施設、公共工事など、企業や行政が営業先となる場合が多いので、Webサイトで広範囲に宣伝する意味がない。元々建設会社はマスメディアを使った広告はあまりしていない。
・地域や関係者間の繋がりや力関係で仕事が決まっていく世界だったので、個々の企業の特徴をアピールしても意味がなかった。

しかし、建設業界は公共工事の減少による競争の激化、品確法の施行や総合評価方式の適用などから、自社の強みを積極的にアピールする必要性は従来以上に高くなっているはずである。
民間企業側がコンプライアンス宣言をしたことも、大きく仕事のやり方が変わる契機となっている。ここに来て始めて建設業界に市場原理が働くようになったのである。

今、まさにWebサイトの効果的な運用について見直す時期に来ているのではないだろうか。

10月 12, 2006 リレーコラム | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.09.26

チャレンジブログの可能性をさぐる
~分野を限定したブログポータル~

株式会社キャルスアップ 取締役 白石良多

前回のコラムでは「ラグビーJAPANチャレンジ2011ブログ」との出会いについて述べ、その特徴として次の3点を挙げた。

チームの規模や認知度に関わらず公平である
無名のチームでも記事を沢山書けば目立つ
(ラグビー関係者としては)ついつい気になって覗きたくなる

このように「~無名のチームが注目を集める仕組み~」になる要素を整理すると、次のようになる。

(1) ブログの更新のしやすさ
(2) RSS、ping という更新を他のサービスに知らせる機能
(3) 特定分野(ラグビー)に限定したブログポータル

(1) ブログの更新のしやすさ
ブログの登録者数は2005年9月末で473万人、2006年3月末には868万人に達している
※総務省(報道資料)
http://www.soumu.go.jp/s-news/2006/060413_2.html

この統計はブログを提供している事業者の登録者数を単純に合計したものなので、1人で2つ、3つのブログを登録している人がいることを考えると、正確なブログ人口を表わすものではないが、数百万人の個人がインターネットで自主的に情報発信をしていることになる。

それでは何故、こんなにも多くの人達がブログを立ち上げるようになったのだろうか。
ブログ登場前は、HTMLファイルの編集やFTPソフトを使ったファイルのアップロードという専門的な「作業」を伴うので、なかなか一般ユーザが簡単にWebサイトを開設することはできなかった。潜在的には、インターネットを使って情報発信や情報交換をしたいと思っていた人は多かったが、それができなかったのである。

ブログは添付ファイル付きのメールを送信する程度のスキルがあれば、簡単に文章や写真、図面などを掲載することができる。ブログ開設サービスを安価に(多くは無料で)提供するプロバイダーが登場してきたことも合せて、ブログ利用者が飛躍的に増加してきたと考えられる。

(2) RSS、ping という更新を他のサービスに知らせる機能

RSSの詳しい説明はここでは省略するが、分かりやすくいうとブログに掲載された記事の一覧表である。ブログに新しい記事を追加すると自動的にこの一覧表に記事一件分の情報が追加される。一覧表(RSS)はブログ本体と共にインターネットに公開されていて外部から参照することができる。

「外部」とはチャレンジブログのような、ブログの新着記事を集めたブログポータルなどのシステムである。RSSという一覧表には常に最新の記事一覧が載っているが、外部のシステムからは何時一覧表が更新されたかが分からない。定期的にRSSを調べにいけばよいが、多くのブログのRSSに定期的にアクセスするのは効率が悪い。

そこで登場するのが ping である。通常ブログは記事が追加されるとRSSを書き変えると共に、ping という信号(実体は短いファイル)を「外部」に対して送信する。RSSを利用すること前提に機能している「外部」サーバは、pingを受け取ると送信元のRSSを読みにいき新着記事情報を逐次集めることができる。

少し専門的になったが、とにかくブログにはRSS、ping という更新を他のサービスに知らせる素晴らしい機能がある。この機能を利用してチャレンジブログは、全国4000チームのブログから最新の記事を逐次リストアップしている。ブログを運営する団体などの規模や知名度に関わらす、とにかく最後に書いた記事がポータルのTOPに表示され、沢山記事を書けば露出頻度が高くなるのはこのためである。

(3) (ラグビー関係者としては)ついつい気になって覗きたくなる

ブログポータルと呼ばれるサービスは、既に多く存在する。試しに「ブログポータル」を検索語にGoogle等で調べてみるとよい。でもそのほとんどは次のように、特定の分野に興味があるものには使いにくいものである。

個人レベルの趣味、嗜好、遊びを扱ったブログが圧倒的に多い
・ブログを一定のジャンルで分類している例はあるが、仕事に関係するジャンルは少なく、残念ながら建設(土木、建築、設計)に関するジャンルはない

チャレンジブログはラグビーチームのブログだけを集めたポータルなので、ラグビー選手、指導者、その他関係者、あるいはラグビーファンにとって分かりやすく、ついつい気になって覗きたくなる存在になるのである。

この様に特定分野に限ったブログポータルは、筆者が知りうる範囲では以下の例があげられる。

e+エンタメブログランキング
http://blogs.eplus.co.jp/

ele-log(エレログ)
http://www.election.ne.jp/

筆者はチャレンジブログを見ているうちに、これと同様の仕組みを建設業界に適用すれば、建設に関わる人達、建物や施設を利用する(購入する)市民に役立つサービスができるのではないかと考え始めた

9月 26, 2006 リレーコラム | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.09.12

「ラグビーJAPANチャレンジ2011ブログ」との出会い
~無名のチームが注目を集める仕組み~

株式会社キャルスアップ 取締役 白石良多

昨年6月、関東学士ラガー倶楽部というラグビーチームの幹事長をしていた私のところに、マネージャー役の同僚Tさんから電話があった。

T:「白石さん、日本協会からよく分からない連絡が来ました。
なんだかブログをタダで使えるみたいです
管理用のID・パスワードも同封されています。」

私:「ふ~ん」

T:
「今、チームの連絡はメーリングリストと電子掲示板を使っていますが、流行りですからブログで試合の通知とかしませんか?」

私:
「それはちょっとブログの使い方と違うな。ブログは普通ネットで公開するので内輪の連絡には向かないよ。非公開にできたとしても掲示板とあまり変わらないし。」

T:
「そーですか、でも何だかいろいろ良さそうなことが書いてあるんですよ。」

私:
「とりあえず資料をコピーして送ってくれる?」

T:
「はい、分かりました。」

日本ラグビーフットボール協会から連絡のあったサービスは、
ラグビーJAPANチャレンジ2011ブログ
(以下チャレンジブログ)というものであった。
http://www.jrfu-members.com/open/blog/index.html
※現在は「集結!! 日本のラグビーチーム ブログ」という名称に変わっている。

概要は次の通り
○協会傘下全国約4000のラグビーチームに、無料でブログを提供(太っ腹!)
○チームはラグビースクールから社会人やクラブチームまで12種類のカテゴリと、47都道府県(地域)に分類されている。
○ポータルには4000チームのブログの新着記事(タイトル・チーム名)一覧が表示され、気になる記事に容易にアクセスできる。
○カテゴリや都道府県で絞り込んだ状態の新着記事一覧も利用できる。

ブログの更新情報を自動的に集めて新着記事を表示する「ブログポータル」と呼ばれるサービスはけっこうあるが、その「ラグビー限定版」である

チャレンジブログは、2001年ラグビーワールドカップを日本へ招致する活動の一環として開設された。日本中のラグビーチームの情報を集めて、ラグビーの認知度を少しでも高めようという目論見で、その発想は間違いではなかったと思う。

しかし残念なことに、南アフリカとニュージーランドと開催国を争ったが、2011年のワールドカップ開催国はニュージーランドに決まっている。チャレンジブログだけでなく、平尾誠二氏のブログを開設したり森喜朗前首相を日本ラグビー協会会長に担ぎ上げたりと、低迷気味のラグビー人気を一気に回復するべく、協会を中心に招致活動を展開したにも関わらず招致に至らなかったことは、ラグビー関係者の一人として非常に残念である。

さて、そのチャレンジブログであるが、その日以来何気なく見ていると幾つかのことに気がついた。
(1) チームの規模や認知度に関わらず公平である
(2) 無名のチームでも記事を沢山書けば目立つ
(3) (ラグビー関係者としては)ついつい気になって覗きたくなる

(1)と(2)は関連したことであり、このサービスの仕組みを考えるとごくあたりまえである。4000のチームはカテゴリ(種類)と地域で分類されているだけで、規模や認知度で重み付けされてはいない。とにかく1秒でも新しい記事を1件ずつポータルの一覧に表示する仕組みなので、記事を沢山書けば当然露出度が高くなる。

チャレンジブログが無い状態を考えてみよう。各チームがバラバラにWebサイトを開設しているので、あるチームのサイトが閲覧されるのは、口コミや他のサイトからのリンクにより直接的にそのサイトを知り開く場合と、検索エンジンで存在を知り開く場合があるが、どちらもそのチームの規模や人気度が高い方が閲覧してもらえる可能性が高くなる。

(3)についてだが、私はラグビーに長年関わっているが、用もないのにネットでラグビーのサイトを探したりはあまりしない。でもチャレンジブログを知ってから、全国津々浦々のラグビーチームの動向を知るのがけっこう面白く、ついつい見てしまう。
このようにチャレンジブログは~無名のチームが注目を集める仕組み~になっている。

チャレンジブログの中でも有名になったふたつのブログ(チーム)を紹介して、第一回の寄稿を終了する。読者の皆さんも一度チャレンジブログ(現在は「集結!! 日本のラグビーチーム ブログ」)をご覧ください。

大分雄城台高校
http://4404015.team.jrfu-members.com/
このチームのブログのライターは、指導されている先生と思われる。
「日々のことば」と題して、ほぼ毎日生徒の指導になぞらえた格言を掲載している。

長野高校
http://1604010.team.jrfu-members.com/
このチームのブログライターは、3年生の女子マネージャーで「マネのぼやき」と題して、女子マネの目線でチームの様子をレポートしている。コメントを見ていると、このブログを通じて同校のOBや、近隣のチームとの交流も広がっているように見える。
高校生の女の子から直接話を聞いているような錯覚に陥る、
オジサン好みのブログでもある (゜゜)\バキッ

ns

9月 12, 2006 リレーコラム | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.08.22

六曜って知ってますか?(最終回)

三井住友建設(株) 長谷芳春

二十四節気について
旧暦は、月の満ち欠けを基準にし、暦のずれの調整を春分や夏至などの二十四節気を基に閏月で調整するということは、理解いただけたと思います。そこで旧暦の作り方を説明する前に、二十四節気についてもう少し説明しましょう。
二十四節気とは、1年を正確に24等分したものです。つまり、太陽黄経(黄道上の太陽の位置)360度を24等分した15度毎に分けられた日と定義されています。つまり、春分点を0度として15度(約15日間隔)毎に決められています。
特に30度の倍数になる日を「中気(ちゅうき)」と言い、その他を「節気(せつき)」と言います。

Image004
*日付は、現在の暦での大まかな日付で、年によって変動します。

旧暦の作り方
以下の規則で、旧暦を作ります。
1) 日の始まりを日本標準時の0時として、太陽黄径と月黄径が等しい朔(さく)を含む日を、月の朔日(ついたち:第一日目)とする。
2) 冬至を含む月の名称を11月、春分を含む月を2月、夏至を含む月を5月、秋分を含む月を8月とする。
3) 2月―5月―8月―11月以外の月の名称を順に付けて行くが、矛盾が生じた場合は、その間で「中」を含まない月を閏月とし調整する。

どうです?ここまで来ると、ちょっと六曜を計算しようとは、思いませんよね?!私のあきらめた理由は以上です。
しかし、それでも、旧暦を作りたい!六曜を表示させたい!という方は以下のURLを参照ください。本稿を書くにあたって、参考とさせていただきました。

星の神殿:旧暦の作り方
http://www.asahi-net.or.jp/~nr8c-ab/rk_qeki.html

高木英明氏「旧暦計算サンプルスクリプト」(フリーソフト)
http://www.vector.co.jp/soft/dos/personal/se016093.html?g

8月 22, 2006 リレーコラム | | コメント (1) | トラックバック (0)

2006.08.09

六曜って知ってますか?(その2)

三井住友建設(株) 長谷芳春

■六曜の規則は?
Image002  六曜のつけ方は、先に書きましたが、七曜のつけ方と同じ様に、先勝・友引・先負・仏滅・大安・赤口と順番につけていきます。
 七曜は西暦1年1月1日を日曜として、順番に単に繰り返していけば良いわけですが、六曜の場合はちょっと違います。六曜の場合は、毎月の1日(朔日:ついたち)から始まります。そして各月の朔日は1月は先勝・2月は友引・3月は先負・・・と各月毎に決まっています。

 ただし、六曜の暦は、もちろん旧暦が基本です。
 従って、旧暦の月日が分かれば、以下の式で六曜は計算できるわけです。

X=MOD(月+日、6) :月と日を加え、6で割った余りをXとすると、

Image003

 ここまでは、簡単ですが、問題はこれからです。
 では、旧暦は、どのように計算するか?これが、結構難しいのです。

■旧暦とは?
 現在日本で知られている旧暦と云えば、一応江戸時代に使われた天保歴です。でも、実はちょっと違うのです。
 ご存知のように、旧暦(太陰太陽暦)は、月の満ち欠けを基本とし、新月・上弦・満月・下弦でまた新月になる間を一月としています。つまり、暦の月の朔日(ついたち)は、朔(さく)のある日(新月の日)を月の始まり(1日)としています。しかし、この月を基準とした1ヶ月は約29.5日で、12ヶ月で、29.5×12=354日となり、現在の一年365.25日に約11日足りないことになります。そこで、旧暦ではだいたい4年に一回閏月(うるうつき)を入れて調整します。その調整の基本になっているが、春分や夏至などの二十四節気です。
 昔は、この朔の時刻や春分の時刻などは、京都の太陽時を使っていましたが、現在では、日本標準時(世界標準時+9時間:東経135度付近の平均太陽時)を使って計算されている暦が多く、天保歴とは微妙にずれており、春分の日などが一日ずれる時などがあります。
 ここまで来るとお気付きと思いますが、旧暦の計算をまじめにやろうとすると、太陽や月の軌道計算を厳密にやることが必要になります。六曜を表示するたびに軌道計算まではやってられません!そんな訳で、自動計算プログラムは諦めたわけですが、短い期間(数年間とか)でしたら、朔日の日付を記憶しての計算は簡単にできます。
(最終回に続く)

8月 9, 2006 リレーコラム | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.08.02

六曜って知ってますか?(その1)

三井住友建設(株) 長谷芳春

 かれこれ15年ほど前になるでしょうか、パソコンがやっと企業の中で使われだしてきた頃です。勿論私も若く、「パソコンをどのように業務で利用するか?どうしたら現場で利用できるか?」を一生懸命考えていた頃です。(今でも、一生懸命考えてはいますが!?)
 そして、インターネットが商用で使えるようになり、WWWブラウザのMosaicやNetscapeが登場してきた頃、当時取り組んでいたのが、今で言うグループウエア!と言っても、発想だけで、実際は単なる文字だけの掲示板と暦に毛の生えた程度のスケデュール管理でした。
 建設業の現場や営業が使える暦となれば、当然、グレゴリオ暦の暦と月・火・水・木・金・土・日の七曜のほかに、先勝・友引・先負・仏滅・大安・赤口の六曜が必要でした。
 七曜なら、西暦1年1月1日が日曜だと知っていれば、後は、うるう年のちょっとややこしい計算をすれば、いつでも指定日の曜日は計算できます。
 当然同じ様に、六曜も計算できると思い六曜自動計算プログラムに挑戦したのですが、結果は、敢無く敗退!・・・・・これが意外と難しいのです!
 まあ、何がそんなに難しいのかは、後で説明するとして、まずは、六曜の説明から入りましょう!

■六曜とは?
 では、まずは、今話題のウィキペディア(Wikipedia)を見てみましょう。
『六曜(ろくよう)は、暦注(暦に書かれている占い等)の一つで、先勝・友引・先負・仏滅・大安・赤口の6種をいう。日本では、暦の中でも有名な暦注の一つで、運勢暦でなくても、普通のカレンダーや手帳にも記載されている。今日の日本においては定着しており、結婚式は大安に、葬式は友引を避けるなど、主に冠婚葬祭などの儀式と結びついて使用されている。
 六輝(ろっき)ともいうが、これは七曜との混同を避けるために、明治以後に作られた名称である。』(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』2006.5)・・・だそうです。
 もともと六曜は、中国の宋の時代に始まったとされていますが、一か月(30日)を5で割った6日を単位として、現在の「週」と同じ様に利用されていたようです。それが、鎌倉時代の頃、中国から日本に伝来したそうで、その頃の六曜の名称は現在のものとだいぶちがっていたようです。現在の名称になったのは江戸時代の末期(19世紀初頭)ということで、比較的最近なんですね!
 六曜にはその日の吉凶が決められていて、江戸の頃には、主に博打などの勝負師が利用していたそうです。また、明治時代には、「六耀は迷信である」と一時禁止されましたが、逆にそれが評判となり、皆が使うようになり、第二次大戦後爆発的に流行ったのことです。現在では、少し下火になりましたが、まだまだ、「日の占い」「縁起担ぎ」として使われています。
 六曜の吉凶については、暦によって若干違いがあるようですが、以下にその解釈を表にしました。

Image001

 六曜のつけ方は、七曜と同じ様に、先勝から赤口までを順番につけていく訳ですから、占いといっても、「毎月曜は、午前が吉」「日曜、万事凶」と云っているようなもので、ちょっと本気で信じるのは考え物ですね!確かに、明治の頃に一時禁止されたのも理解できます。
 また、最近では「迷信を信じる事は差別につながる」との一部人権保護団体からの抗議で、大津市役所が、作製した2005年版職員手帳を回収・焼却処分したという事件もおきています。
まあ、差別になるかならないかは別にして、縁起を担ぐという意味で気にする人も居る訳で、信じる信じないは個人の自由ということで、次にその計算方法を紹介しましょう。

(その2に続く)

8月 2, 2006 リレーコラム | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.07.14

標準化はCALS/EC以前から始まっていた!(最終回)

■CORINS-EXの取り組み

200x年 春 建設会社のCALS/EC担当者の会合
(A社担当者)「CORINSの対応どうしてる?」
(B社担当者)「バージョンが変わる毎に社内のシステムを見直さないと
いけないよー」

(C社担当者)「当社は人海戦術での対応となっているよ。入札担当者が
悲鳴を上げているよ。」

(A社担当者)「データ構造は標準化されているからシステムの標準化
されないのかな?」

(B社担当者)「インターネット上のJACICのサイトで検索できるよね。」
(C社担当者)「細かい検索ができないんだよ」
(D社担当者)「やっぱり自社のデータベースで探すことになる。」
(A社担当者)「皆さんの会社では独自にシステム開発してるの?」
(E社担当者)「毎年直しているようだから、○千万かかっているよー」
(B社担当者) 「もったいないなー、標準システムができればいいなあ」
(B社担当者)「開発費を各社で負担して作成するアイデアはどう?
こんなシステムを考えているんだけど」

001_1



(C社担当者)「いいねー、これこそ標準化のメリットだよ」
(E社担当者)「みんなでやれば怖くない!」

こうやって、(社)日本土木工業協会(土工協)に所属する22社は、2001年9月にCORINSに登録した自社データを有効活用するためのシステムである「CORINS-EX」を共同開発しました。そして、現在、このシステムの開発、
運営は2002年8月に設立した有限責任中間法人建設情報化協議会(CIC)に受け継がれているのです。現在、このシステムの導入会社は40社を超え、業界標準のシステムとして育ってきているのです。
このシステムは、当初から標準を意識してましたから、イントラネット対応、XML対応などの最新の技術が盛り込まれていました。今では、CORINS-EXExtensible(拡張性)を有効に使い、GIS(地図情報システム)や電子納品保管システムと連携され、様々な既存のシステムとの連携が可能となっています。

002


今では、CORINSで登録された工事実績のデータ単位が各社の工事を管理すべき単位となっており、CORINSの一般データは、工事に関係する様々な情報の管理情報となっています。これは、CALS/ECの中で、例えば、写真や書類に管理情報と称して属性を付けて管理させた考えに合致しています。この属性情報は、標準技術であるXMLで記述され、保存されたデータの管理がし易くなっています。さて、「CORINS-EX」ですが、このデータの中の一般情報と呼ばれる工事実績の管理情報に当たる項目については、実はXMLで記述しており、情報の後利用できるように配慮しています。そして、XMLのタグの記述は英文として国際標準を意識していることにも特徴があります。

003


■雑感(A社担当者)
今から10年以上前から始まった工事実績(CORINS)の標準化は、それに参加する組織、個人にメリットをもたらすものだということがCORINSの歴史を振り返ってみて、あらためて分かります。
標準化とは公の意識を持って進めることです。一組織、一個人だけがメリットを享受するために行う行為ではありません。混乱なく物事を進めるには分かりやすい取り組みが必要です。「CORINS-EX」は、一度作成された開発システムは各組織に容易に導入できるというアプリケーションは複製が可能というIT技術の特徴を有しておりました。そのアプリケーションは、建設特有のユーザのノウハウが詰まっており、そのノウハウを各建設会社が支持したことによって導入が広まってきていると言えます。
 さて、このように建設会社で育てられた「CORINS-EX」は、現在では、オープンソースのOS、Linuxで動作するデータベースで構築されており、システムの将来的な広がりを予感させています。この広がり方については、CICにシステム会社が参加し活動することで様々な既存のアプリケーションと連携が見えてくると将来を想像しているのですが。。。。

7月 14, 2006 リレーコラム | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.07.07

標準化はCALS/EC以前から始まっていた!(その3)

A建設会社、1994年春、本社管理部
特に入札担当からの要望では、以下のことが課題となっていました。

(支店営業)「CORINSで登録したデータを入札条件に合わせて迅速に
選び出したい。」

(支店営業)「発注元が、CORINSシステムでプリントした工事カルテ、
紙を要求してる。」

(支店営業)「CORINSのデータで証明できない工事実績は図面の提出を
求められる。」

インターネットやイントラネットが普及していない時代でしたから、データの一元管理や情報共有が難く、煩雑な作業を余儀なくされていたのです。
データ構造そのものは、公の標準化されたものでしたからそれに対応したデータベースシステムを持っていることが必ずしも他社との優位性がとれるというわけでありませんでした。
そこで、各会社で独自にシステム開発をするより、標準データに合わせたシステムを共同で作った方が一社当りの負担は少なくなるという考えが建設会社で浸透し始めました。
データの標準化がシステムの標準化に結びついてきたのです。
この考えはCALS/ECの理念に合致するものでした。

(最終回につづく)

7月 7, 2006 リレーコラム | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.07.04

標準化はCALS/EC以前から始まっていた!(その2)

■CORINS-EXの取り組み

しかし、入札の現場ではCORINSが浸透し始めます。
A建設会社、1994年春、本社管理部
支店の営業担当者から問い合わせです。

(支店営業)「CORINSって何ですか?」

(管理部)「当社の工事実績をJACICに登録したデータを指すよ。」

(支店営業)「一般競争入札で、入札の技術資料として発注者が要求しているんだけど、入札条件がトンネル工事で内空断面積○m2以上で、延長○m以上の実績あるかな?CORINS登録した工事で。」

(支店営業)「探すの大変だよ、明日の入札間には合わないよー」

(支店営業)「CORINSの証明がないと、入札条件を満たさないから入札
できなくなる。そちらでで対応考えてくれないかな。」

(管理部)「確かに探すの大変ですよ。一日中資料探しに追われています。
正確な工事実績データがどこにあるのか探すのが大変です。JACICへの登録が会社の組織内でばらばらに行っているため、データの一元管理がなされて
いないのです。また、社内の工事実績管理システムと整合性取れていないから、何を信じて良いものか。」

(支店営業)「明日の入札間に合わないよー」

初めの頃の一般競争入札では、入札担当部署からの問い合わせで管理部門は、資料を用意する煩雑な作業を行っていたのが各社共通の悩みであったと思います。社内でデータの一元管理がなされていなかったため、最後は紙に印刷されたデータ(工事カルテ)を読み取るという原始的な方法に頼って急場を凌ぐなんてこともありました。なぜ、混乱を招いたのでしょうか。
それについては、

(1)CORINSデータの重要性を認識していなかった。
(2)工事実績は各社とも、旧来からある自社のシステムに頼っていた。
(3)標準化されたデータは、唯一公に証明できるものであるという認識が なかった。
(4)データベースの重要性を認識していなかった。

などが上げられます。
特に、入札に関わる重要なデータであるということが分かりだしてからが大変です。各社とも社内の工事実績システムの見直しからは始めたり、新たにCORINS用のシステムを開発したりCORINSがバージョンアップされる毎に開発費をかけて社内のシステムの見直しを行っていったのです。それは一社数千万円にも及んでいることも珍しくありませんでした。

(その3につづく)

7月 4, 2006 リレーコラム | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.06.30

標準化はCALS/EC以前から始まっていた!(その1)

■CORINS-EXの取り組み

A建設会社、1993年秋、本社管理部
ITに不慣れな部署の課長から相談受けた。

(営業)「大変なことになりそうだ。
工事実績のデータを工事が竣工した時点で登録しなければならない。
しかも、過去5年に遡って出す必要があるという!」

(管理部課長)「なんのために??、どうやってやるの??」

(営業)「パソコンで入力ソフト(CORINS入力システムVer.X)を使っての作業と
なる。この使い方が分からないんだよなあ。」

(管理部課長)「どれどれ、使いづらいソフトだなあ。社内の工事実績システムの
データとは整合性が取れないなあ。」

(管理部課長)「当社のデータから確認しなければ。。。。」

(管理部課長)「当社の分類とぜんぜん違うよー」

(営業)「とにかく、過去にさかのぼってデータを整理して入力しよう!」

(管理部課長)「このデータを建設省(当時は建設省だった。)は集めて
何に使うのかな?」

(営業)「実績のある建設会社を選別したいんだよ。」

(管理部課長)「へーっ、それは大変なことだ!
相手がこちらの手の内が分かっているのに、こちらが把握していないことは
大変だよ!社内のデータの整合性を取らなければ」

(管理部課長)「工事の単位が契約単位だよ、これじゃ社内と合わない!」

(営業)「社内のIT管理部に相談したら、ケンモホロロだよ。」

(管理部課長)「公のデータ構造に合わせなければ問題あるよー」

(営業)「なんで、外に合わせて社内のシステム開発を行なわなければ
いけないんだーって!IT管理部は言ってるよー」

(管理部課長)「そんなこと言ってると後々大変だよ。」

(営業)「そうかな。」

(管理部課長)「工事実績を証明することができなくなるかも。
自分たちだけのデータ構造にこだわっていると。」

(営業)「ふーん。そんなもんかな。システムの話は難しくて、かなわんわ。」
 
このようにCORINSの導入時期は、各社とも混乱していたようです。
この話は1993年度の終わりでしたから、この動きが1994年度に建設省が一般
競争入札を本格的に始める布石になっているとは知る由もなかったのです。
建設業界で重要な標準データであるCORINSは、1993年12月21日の中央建
設業審議会による「公共工事に関する入札・契約制度の改革について」を基に
取り組み始めた動きでした。実は、これが、CALS/ECが始まる数年前に始まっ
た建設業界における標準化の動きだったのです。各会社とも自社の工事実績
データを汎用機の自社システムで抱えていた時代でしたから何故社外のデー
タ構造に合わせて自社システムの見直しを行わなければならないなど夢にも
思っていなかったのです。

(その2へつづく)

6月 30, 2006 リレーコラム | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.06.15

「建設IT対応スキル標準教育体系、プログラム」の紹介(その6)

建設技術者のITスキル教育について
~「建設IT対応スキル標準教育体系、プログラム」の紹介~
              (その6:最終回)
                         みらい建設工業(株) 宮本勝則

おわりに ~継続的メンテナンス及び運用の必要性~

 今回の東建IT研究会による本スキル体系は初版であり、その妥当性が検証されているわけではなく継続した修正、メンテナンスが必要です。加えて、建設ITの進展のために標準教育体系の必要性を感じ、早期に提示することを重視したため、内容が概念的でまだまだ不十分であると認識しています。
 今後の予定として、今回提示した体系とプログラムを適宜に洗練化するとともに、その対応スキルの要件に則った「職位別ITスキル評価基準」を作成し、その基準に従い個人ITスキルアッププランの進捗状況と達成度指標となる「ITカルテ」とその運用方法について提案する予定です。次に、所属組織や利用システムの成熟度判定に照らし合わせ、個々人に合致した「教育・研修カリキュラム」が選定できる“仕組み”を提供できればと考えています。
 また、既にある教育・訓練市場を調査・評価し推奨する各種研修サービスや講習会として逐次紹介するともに、現場環境に適する理想的な教育形態・教育技法などについて検討し紹介していきます。さらに、ニーズに適った効果のある教育・研修サービスを提供していただけるよう関係組織に教育・研修の企画を働き掛けていくことも重要なことと認識しています。

miyamoto09
     図-9 ITスキル体系の監視と洗練化

 今後、東建および会員会社のみならず、現場マネジメントの教育・訓練に関係する方々の意見も積極的に取り込むことで、理想的な「建設IT対応スキル標準(教育)」として継続的に最大限まで洗練化していくことが必要です。そして、本スキル体系の利用の高まりが技術者のITスキルの向上に繋がることを望んでいます。
そして、本スキル体系がトリガーとなり、産官学の諸組織におけるITスキル教育・訓練に関する機運の高まりと、各種教育・訓練サービス提供機関による職位に応じた具体的なITスキル教育・訓練マニュアルなどの整備と有効な教育技法・形態の提案に期待しています。と結んでいます。
 これまで、日本の社会は建設技術者をバッシングし、経営者は粗末に扱いすぎたと言えるのではないでしょうか。これからは、技術者のモラール(やる気)とES※の向上無くして、企業、組織の成長ビジョンは描けないと思います。まずは、建設業における人材が優良な「人財」となるよう、知識・ノウハウの習得と、継続的学習、スキルアップに投資するところからはじめましょう。
※ ES = Employee Satisfaction従業員満足度

(完)

その4~6まとめ ダウンロード用 PDF

6月 15, 2006 リレーコラム | | コメント (0) | トラックバック (1)

2006.06.12

「建設IT対応スキル標準教育体系、プログラム」の紹介(その5)

建設技術者のITスキル教育について
~「建設IT対応スキル標準教育体系、プログラム」の紹介~
                (その5)
                        みらい建設工業(株) 宮本勝則
スキル対応の構成

 スキル体系においては、一般的な土木工事主体の建設会社における現場の職位を意識し、縦軸に①入社時(新人)、②3~7年(若年)、③8~13年(中堅1)、④14~20年(中堅2)、⑤21~30年(壮年)ならびに、職位として①新入社員、②係員、③主任・所長、④総合所長まで標準年齢と業務レベルを付加して並べています。 次に、横軸の大きな2列目に「建設IT対応スキル」として、習得すべきスキルを職位ごとにレベル設定しています。3列目には「職務遂行の為に必要な知識」に関する資料(関連基準やガイドライン、資料など)を掲載し、参照できるようにしています。4列目には、教育形態として、「OJT」「集合教育」「CBT/eラーニング」「自己啓発」にカテゴリを分け、各々の対応スキルを習得するのにどの教育形態が適正であるのかを「◎:最適、○:適する、△:何とか適用できる」の3段階で評価しています。そして、5列目では、ITツールとして主なアプリケーションを作成時点のものを掲載しています。最後に、「備考」として、その習得スキルの客観的評価に繋がる外部資格をレベル、内容に合わせて参考程度に提示しています。

Miyamoto06
   図-6 スキル標準プログラム(新入社員の場合)

スキル体系、スキルプログラムのフレームワークの基調として、図-5に示すように、職位に相応しいITスキルレベルを想定し構成作りをしています。単純に高い職位が高いITスキルレベルとなるわけではないことが分かります。つまり、職位の新入社員、係員、主任・所長までは、職位レベルが上がるに従いITスキルレベルが上昇しますが、複数の工事を統括管理する役割の総合所長は、これまでの急速な業務のIT化事情を考慮し、係員と同等のITスキルレベルに設定しています。

スキルプログラムの構成

  スキルプログラムにおいては、まず、職位ごとに要件に対応する理想とするITスキルレベルをヘッダーに載せています。スキル体系をより具体的な内容で詳細に表現するとともに、研修・講習会を企画準備する際に利用できるよう、カリキュラムを意識し構成されています。縦軸に「対応スキルレベル」に対応した想定される「研修・講習会名称」を並べ、横軸に各研修に対応する項目として、①「研修のねらい」②「達成レベル」③「期間」④「テキスト」⑤「対応スキルレベル」、⑥「備考」を並べています。 「研修のねらい」、「達成レベル」ともに、分かりやすく具体的な内容としています。「期間」は、時間単位で表現し、半日あるいは1日での研修・講習会を前提としています。よって、必要な研修・講習会をカフェテリア方式で抽出し、組み合わせることにより、望ましい的確な研修・講習会の実施が可能となります。

Mkiyamoto07
   図-7 職位レベルとITスキルレベルの関係

 次に、図-8は、業務レベルとITスキルレベルとの関係を図示した上に、ITスキルを必要とする業務をマッピング(位置づけ)したものです。ITスキルレベル層の設定は、ITスキルの低い方から順に「デジタルデバイド層」、「情報リテラシ層」、「ミドルレンジ」、「ハイレンジ」、「管理者層」となっています。各層の説明と期待する役割を以下に列記します。

Miyamoto08_1
 図-8 業務レベルと層別ITスキルに適する業務の位置づけ

デジタルデバイド層
電子化された情報を閲覧したり発信したりするスキルを持たない者、或いは持たないに等しい者。情報格差基礎的なITスキルからの習得が必要である。
情報リテラシ層
PCや基本ソフトなどの基本操作ができる者、また上位レベルの指導の下、IT関連業務が遂行できる者。業務の効率化に向けて、一層のスキルアップが望まれる。
ミドルレンジ
自らのITスキルを利用してIT業務をこなすことのできる者、またITに関わる課題に気付き上位者の指導の下、解決できる者。下位レベルの者の指導に期待する。
ハイレンジ
ITスキルを駆使してリーダとして組織全体の情報化に寄与する者。組織内方針、目標を明確にし組織対応による下位レベルのスキルアップに期待する。
管理者層
ITのプロであり、ネットワークやIT利用業務を管理する支援業務に従事する者。一般的に支援組織(バックヤード)に所属し基本的に直接業務に関与しない。

次回その6:最終回に続く

6月 12, 2006 リレーコラム | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.06.08

「建設IT対応スキル標準教育体系、プログラム」の紹介(その4)

建設技術者のITスキル教育について
~「建設IT対応スキル標準教育体系、プログラム」の紹介~
(その4)
みらい建設工業(株) 宮本勝則

その1~3編では建設業におけるIT教育・訓練の必要性と背景、ねらいとその意義について説明しました。その4~6編ではスキル体系およびスキルプログラムの内容と今後について説明します。

スキル体系およびスキルプログラムのフレームワーク 
~職位別スキル標準とは~
スキル体系においては、実際には一覧表で表現されていますが項目が多く細かいので図-2、3のように一部抜粋し表示しました。縦軸に現場業務に対応した職位レベルとして新入社員から係員、主任、作業所長、ベテラン技術者の総合所長までを順に並べ、横軸に対応スキルや教育・訓練する上で必要となる情報ならびに参照資料を列記しています。

Bfb1beb4

図-4 建設IT対応スキル標準教育体系(新入社員の場合)-1

8b138891

図-5 建設IT対応スキル標準教育体系(新入社員の場合)-2

 また、スキルプログラムにおいては、図-4のように、上位のスキル体系の「対応スキルレベル」を基に、要求事項をITスキルとして具体的に表現し、カリキュラムとして利用できるよう研修・講習会を設定しています。

(次回その5に続く)

6月 8, 2006 リレーコラム | | コメント (0) | トラックバック (1)

2006.06.05

「建設IT対応スキル標準教育体系、プログラム」の紹介(その3)

建設技術者のITスキル教育について
~「建設IT対応スキル標準教育体系、プログラム」の紹介~
(その3)
みらい建設工業(株) 宮本勝則

スキル体系が求められた理由 
~ITスキル成熟度とシステムのミスマッチ~
 建設業における建設技術者のスキルとは、主として現場におけるQCDSE(品質、コスト、工期、安全、環境)を代表とするマネジメントです。また、ITとは業務を効率的に処理し効果的なアウトプットを生成するツールであり、ITスキルとは、そのツールをうまく使いこなせるテクニック(巧みな技術)やエンジニアリング(巧みな処理)を適宜発揮できる技能、技量と言えます。
 1990年半ばから、建設業ではISOやVEなどによる標準化、科学的管理手法の導入や、法制度の改善・改革が相次ぎ、現場マネジメントに係る業務が年々煩雑化しました。そこで、それまでの建設業におけるビジネスモデル、経営手法のままで、企業の競争力をいくら向上させても成長ビジョンを描くことは難しく、ある時期BPR(業務改革)を伴う情報化に期待が寄せられました。ところが、システムの仕様作りや機器導入が先行したため、本来あるべきの業務改善・改革による標準化や体系的な利用者の教育・訓練がその場対応でいい加減に済まされる傾向がありました。一部には効果どころか仕様による弊害、没個性化が顕在化しました。これは、バランス・スコアカード(BSC)※で見ると『業務プロセス改善の視点』の一部(業務改善・改革)と『学習と成長の視点』が欠如していたと思われます。
※バランススコアカードとは、「財務の視点」 「顧客の視点」 「業務プロセスの視点」「学習と成長の視点」の4つの視点を中心としたマネジメントシステムのこと。

よって、「学習と成長の視点による」教育・訓練システムを基盤として、現状のまま(AsIsモデル)を単に情報化し仕様化するのではなく、現状の業務分析による課題を抽出後、あるべき姿(ToBeモデル)を検討すべきです。そして建設情報の標準化と定義に基づく新たな業務プロセス(仕事の仕方)を現状のITスキルレベルを考慮した上で重要成功要因をシステム企画・構築・運用することで、「顧客の視点」と「財務の視点」に描いた目標が達成され、ベストプラクティスができあがります。下図参照。

296058ac

図-3 情報化展開事例のBSCでの表記

真のねらい ~構築物の品質を確保するために~
現在、ITを利用した業務システムが数多くあるものの、これまではIT重視のシーズ・オリエンテッド(ITありき)なシステムづくりの傾向が強いものです。これからは建設業における業務分析による重要成功要因を実践するニーズ・オリエンテッド(業務ありき)な仕組みにすることが望まれます。これからのツールやシステムを企画する段階では、業務遂行に必要なITスキルの成熟度を想定し、監視する指標を設定します。次に業務範囲、利用者ITスキル成熟度、展開時期、達成評価基準を考慮することで、今までの不適合(ギャップ)を回避し目的に適合(フィット)した継続的な実効が期待できます。
しかし、その基盤となる対応スキルは主催者都合による一時的な講習会や研修だけで習得することは難しく、変化の激しい要素技術を知識として理解するだけでも時間と労力をかなり要します。さらに、対応スキルを構成する各スキルは、ITの必要性を的確に理解するための啓発教育による個々の“気付き”から始まります。そして「コミュニケーション能力」や「交渉力」、倫理観を伴う「セキュリティ」、「プレゼンテーション」、「CAD図面作成」、さらに、組織を統率する「リーダーシップ」まで多種多様です。よって、これらのスキルを一朝一夕に習得することは難しく、最初から基礎的な知識から段階的かつ体系的に身に付け、実務経験を通して評価とリンクさせることがうまいやり方でしょう。
加えて、スキル体系は妥当性を確認しながら適宜更新されるため、不足しているスキルを追随し完全に補うことは容易ではありません。重要性の高いスキルから優先順位をつけて取り組めるよう、スキル体系を基準としたモニタリング(監視)システムと第三者によるコーチングが必要です。その上で、実務経験での指標を評価しつつ、体系的に進み具合を確認し習得していけば、継続教育により継ぎ目の無いスキルアップを図ることができます。ひいては、現場マネジメントの実践力と、適合したITスキルレベルが身につき、真の成果品である現場の構築物の品質を効率的に確保できると考えられます。
(次回その4に続く)
その1~3まとめ ダウンロード用 PDF

6月 5, 2006 リレーコラム | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.06.01

「建設IT対応スキル標準教育体系、プログラム」の紹介(その2)

建設技術者のITスキル教育について
~「建設IT対応スキル標準教育体系、プログラム」の紹介~
(その2)
みらい建設工業(株) 宮本勝則
スキル体系のねらい ~スキル体系の活用シーンの想定~ 
 このスキル体系ならびに、スキルプログラムは建設業において要求される建設ITスキルを明確にし、教育・訓練の方針・目標を体系的に明確にしています。本スキル体系は建設業に関わる組織・団体および個人に有効利用されることを策定されました

1c9365a8
      図-2 ITスキル体系の利用場面、有効性

建設会社
 新入社員から複数の工事を束ねる総合所長まで、職位に沿ったスキル体系を参照、引用することで、ITスキルのキャリアプランが明確になる。また、ITによる業務の高度化を図るためのキャリアパスの達成基準として位置づけることで客観的な評価が可能となる。さらに、スキルレベルの把握・還元により教育や業務へ反映し定量的な達成評価をすることで教育・訓練の投資効果の測定が容易となり継続性のある教育・訓練が可能となる。
建設技術者
 所属組織によらない汎用のスキル体系を基準とすることで自己啓発の客観的な達成目標となる。個人のスキルアップのためのキャリアパスとして有用なマイルストーンになる。
ITベンダーと教育・訓練サービス企業
 スキル体系が明確に提示されることにより、教育・訓練サービス研修、講習会のサービス内容が利用者ニーズを的確に捉えた教育内容となり妥当性が確認できる。さらに、eラーニングやCBTなどの効果的な教育技法の開発および活用により成熟度レベルに合ったサービスや製品が登場するとともに、IT教育・訓練事業の市場が活性化し充実する。
学校・教育機関 スキル体系を学校・教育機関におけるカリキュラムに組み入れることで、より実践的な教育が行われ、学生の実践力が高まり、即戦力の人材を社会に供給することが可能となる。
行政(発注者)機関
 発注者側でスキル体系を基準として位置づけ、一定規模以上の工事の要件としてスキル体系に適う技術者の配置を指導或いは義務付けることができれば企業競争力を刺激され、受注者はITスキルの重要性を認識しITスキルを保持する技術者を組織内に養成する。また、発注者側のITスキルレベルも同等のものが要求され、相互協調による相乗効果が期待される。さらに、スキル体系に沿った的確な仕組みを受注者に提供することができる。
 
これら技術者および産官学が一体となりスキル体系を基に連携し共通認識を持つことができれば、組織ごとの教育・訓練体制の成熟度が向上すると思われます。

(次回その3に続く)

6月 1, 2006 リレーコラム | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.05.29

「建設IT対応スキル標準教育体系、プログラム」の紹介(その1)

建設技術者のITスキル教育について~
「建設IT対応スキル標準教育体系、プログラム」の紹介~
                (その1)
                      みらい建設工業(株) 宮本勝則

はじめに

 「どうしてこんな事故が起こるの?」、「導入したシステムが動いていない、使えない」といった話をよく耳にします。最近、建設業界に限らず人間系に
よる事故、障害が数多く発生しています。今までの組織の業務システムの
不備や組織の未熟さに起因する問題と同等以上に、個々のスキルやノウハウ、倫理観に関わる問題が注目され議論されています。また、2007年問題やリストラによる大量退職時代を迎え、人材、ノウハウの流出に危機感を持ち、これまで以上に企業や組織における「人財」の重要性が認識され、その対策が各方面で模索されています。

新聞発表によると、東京都では、職員の技術の伝承や人材育成を2005年度の重要な検討テーマとして掲げ、具体的方策の検討を進めた上で、2006年6月をめどに技術系業務の在り方などの方向性を示す方針のようです。
 こういった問題を解決するきっかけの一つとして、2005年11月9日に(社)東京都建設業協会のIT研究会から、「建設IT対応スキル標準教育体系および教育プログラムの提案~情報化社会における建設技術者のITスキルアップを目指して~」の発表と研修会が開催されました。内容は建設技術者のITスキルのあるべき姿を睨み、建設IT対応スキル標準教育体系の必要性とその方策について具体的に提案されました。

 今回は、その標準教育体系が提案された意義を関係者に広く知って頂きたいということ。そして、こういった標準スキルといった“ものさし”が今後の業界の成長には不可欠である。との認識のもと、業界全体で継続して取り組み、洗練化していく必要があるものと思い、発表された内容を要約して紹介させていただきます。
 
 詳細については、下記の東建ホームページを参照しお問合せください。
http://www.token.or.jp/
 
 前半(その1~3)は、建設業におけるIT教育・訓練の必要性と背景、ねらいとその意義について、後半(その4~6)はその中身と今後について説明します。

策定の背景~人や真の標準化より、システム優先の間違った時代

 建設業の情報化による生産性の向上を目指し、1996年から始まったCALS/ECや、最先端のIT国家を目標とした2001年からのe-Japan戦略などにより、今日まで建設業の情報技術による生産性の向上、競争力の向上が叫ばれてきました。しかし、ITの進展に伴い、システムも高度化、複雑化し、その急激な変化に対する技術者のITスキルが追随することが難しく、期待したほどの効果をもたらしていないのが実状です。 
また、今まで新たなシステムを構築する場合、業務改善や情報の標準化よりもITありき優先で進められてきました。並行して利用者の体系だった継続的な教育に力を注いでこなかったため、原動力となる実践力が不足し業務の停滞や認識違いなど様々な弊害が顕在化してきています。  
 組織、業界を超え、他産業との連携が求められる中、この状況が続くと主人公の技術者のITスキルの不足により業界自体の情報化が遅れ、他産業に取り残され競争力の低下が懸念されます。建設現場においても、ITによる業務改革の波は避けて通れない状況にあり、現場業務を円滑に進めるために技術者がITスキルを体系的に身に付けることが不可欠となっています。

956c7b49
図-1 IT教育に関する課題

よって、業務遂行に必要なITスキルの教育の体系化と、その実行標準プログラムによる育成が必要です。そこで、解決策として現場での利活用を想定した教育体系、教育プログラムについて東建IT研究会で検討し、以下の体系とプログラムが策定されました。

・建設IT対応スキル標準教育体系
(CITES※:Construction Information Technology Education
System for Skill Standard)※呼び名:サイツ

・建設ITスキル標準教育プログラム
(CITSSP:Construction Information Technology Skill Standard Program)

これらは、建設会社における企業成長ビジョンに沿った戦略的な人材育成に寄与するとともに、建設技術者のキャリアプランとして自己研鑽に活用されることを期待しています。

(次回その2に続く)

5月 29, 2006 リレーコラム | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.05.26

CIC 建設リレーコラムが始まります。

”CIC建設コラム”の中で、いよいよ、「建設リレーコラム」が始まります。
会員の中から、有志を募って(約15名)リレーコラムを始めます。

日常の建設関連ニュースに対するコラムや、建設CALS/ECの様々な委員会活動などに参加しているメンバーからの辛口コラム、建設業こうあるべき!という業界論客のコラム、など、ジャンルを問わず会員がリレーで発信いたします。

コラムによっては、筆者名をニックネームで発信することも有ろうかと思いますが、その辺は、企業人の集まりでもありますので事情ご推察の上ご勘弁ください。

スタートの第一バッターとして「みらい建設工業」の宮本委員が、東京建設業協会でまとめた「建設ITスキルスタンダードの紹介」という題目で、6回にわたりコラムを提供します。形としては、筆者が混じらないように一人づつ完結型にいたします。

しかし、その間に一般のコラムが挟まることがありますので、リレーコラムを順に読みたい方は、右側の”Categories”から「リレーコラム」を選択していただければリレーコラムだけを続けて読むことができます。また、読者の利便性を考慮して最後にはコラム全体をまとめた、ファイルをアップいたします。

請う!ご期待!

CIC事務局より

5月 26, 2006 リレーコラム | | コメント (0) | トラックバック (0)